どーも、がばちょでございます。
たまに、バイクのことを調べていると、バイクで痩せるというワードを見ることがあります。自転車ではなく、オートバイで痩せるというワードです。
「バイクって乗ってるだけで痩せるんやで〜」
「夏場のツーリングで200km走ったら、2km痩せてたわ」
「オフロードバイクは痩せる!」……etc
これらの言葉は、僕を含めた肥満体のライダーを喜ばせますが、ただただ盲信的に信じてはいけません。夏場のツーリングなんかは、汗で水分が出ただけで翌日には元通りです。オフロードバイクで痩せるのも、今まで使っていなかった筋肉をつかうのでカロリー消費はありますが、目に見えるほどの効果を継続的に得ることはできないでしょう。
バイクでの消費カロリー
ダイエットの最重要項目はカロリーです。摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やすかすれば、不要な脂肪を落とせます。
バイクは交通手段であり、乗り物であり、道具に過ぎません。ツーリングの目的が食べ歩きであれば次のような言葉になります。
「バイクは肥満のもとである」
実際都会を離れて郊外にいくと、様々な飲食店がバイク客を取り込もうと駐車場・駐輪場の整備をしています。
バイクに乗るとお腹が減るのは事実です。神経も使いますし、体力も使います。そして1日ツーリングを行うと軽食と称して飲食店やコンビニに立ち寄る回数が増えてしまいます。
運動時の消費カロリーの求め方
運動の消費カロリーの求め方は以下のようなものです。
消費カロリー(kcal)=体重(kg)× METs × 時間 × 1.05
METsというのは聞き慣れませんが、運動やフィットネスにはメジャーな指標です。”Metabolic equivalents”の略とのことです。
1METs=安静時の消費カロリーです。これは、基礎代謝のことですね。これは個人の筋肉量や健康状態や年齢で割と大きく変動します。
一般的にマッチョの人の基礎代謝は高く出ますし、肥満であらせられる方のそれは低いです。
30歳の60kgの平均的な日本人男性の一日の基礎代謝は1520kcal、30歳52㎏の女性が1140kcalです。簡単に調べれるサイトはこちらです。
この男女の差は体重差に比例します。体重1kg当たりの基礎代謝量はおおむね22kcal前後になります。
バイクシーン別の消費カロリー
1METsは安静時の消費カロリーです。これはもっとも楽な状態です。家で大人しく椅子に座っている状態がこれですね。もしくはベットで横になっているときです。では、2METsはどんなものでしょうか?
METsのリストは調べれば様々な医学系サイトにきっちりと発表されています。研究レポートの評価なので信頼できる数字です。
ぴったり2METsの行為は
- 料理
- 洗濯
- シャワー
- 着替
などの家事全般です。これが2METsです。
ではでは手軽な運動である散歩はいかがでしょうか。これは3METsです。これを上記の式にあてはめましょうか。
60kg x 3METs x 1h x 1.05=189kcal
60kgの人の1時間の散歩は189kcalとなります。もちろん、きっちりと腕を振って競歩のように歩けばMETsを上げられますし、時間を延ばせば結果的に消費カロリーを増やせます。
サッカーは10METs、ボクシングは12METs、階段ダッシュは15METsです。しかし、きつい運動は長く続きません。一般人は階段ダッシュを何往復もできない。
肝心のバイクのMETsです。街中のツーリング時で2.5METsくらいです。散歩レベル以下です。さらに停車時は安静時と同じ1METsになります。
きつくしようと思えばオフロードバイクでダート走行でもすればきつくなります。でも、強度が上がると、時間が続きません。
プロのライダーたちのように職業とするならば限界を極めていくこともできます、しかしそれでもオートバイという乗り物である以上、爆発的にMETsをあげることはできません。
バイクでのダイエットを効率的に行う方法
ご説明のようにバイクに乗っただけでのダイエット効果は同じ時間の散歩レベル以下です。都市部などで止まっている時間が長ければその分ダイエット効果は薄れます。
では、そのような中でも効率的にバイクに乗って痩せるにはどうしましょうか。
ルート選び
ルート選びは非常に重要です。停車時間が長ければMETsの数値は減少しますので、それが多いと走り続ける必要があります。できれば重心移動をともなうコーナリングが多いほうがいいでしょうか。
そうなると都市部はルート選びからの候補から外れます。
そうなると、山間部、沿岸部を有する道をツーリング先とするしかありません。
- 渋滞だらけの幹線道路
- 細々した生活道路
このような道はおすすめできません。停車時間も多くなる道はよろしくありません。
ちょっとキツめをキープ

ダイエット効果を期待できる運動は、少しキツく感じる程度の運動がいります。コーナリングでの重心移動が少しきつい、シフトダウン、シフトアップが頻繁でしんどい。高速走行で姿勢を保つのが少しキツイ。
バイクでの“ちょっとキツめ”を考えると以上のようなものがあります。
このちょっとキツめをキープできる時間を増やすことを考えましょう。プロのライダーで明らかな肥満体型の人はいません。(バイクに乗る以外のトレーニングもあるでしょうが)
この状態をキープして、可能な限り時間を費やすことができればダイエット効果を期待できます。
だからといって、自分の力量以上の運転をするのは事故のもとなのでやめましょう。あとはスピードの出しすぎも事故のもとになります。こんなことを試して事故にあっては元も子もない。
寄り道しない
バイクの魅力は車にはない小回りの良さです。すっと止まれて、さっと行ける。寄り道や散策がものすごく楽しくなります。今まで車では気に留めなかった、道を曲がりたくなったりします。
そういった際の道中のコンビニや飲食店は大変に魅力的なものです。ことさらにツーリング先で発見した少し汚れたラーメン屋のバイク乗りたちをよせつける魔力ったら半端じゃありません。
常識的なバイクの運動効果は期待できるようなものではありません。コンビニのスナック、ラーメン、ファストフードなどはその日の消費カロリーを軽く相殺するどころか余裕で上回ります。
バイクに乗ることによって少なからず動いていますので、食欲は絶対に増進します。コンビニや飲食店には無暗に立ち寄らない!これは冗談でもなく本当に大切です。なんなら家からカロリー計算した食べ物を持ってツーリングに行きましょうか。
バイクのよる運動効果は期待するほどではありません。ツーリング時の取り決めから無駄を省かないと、効率的にダイエットできません。
コンビニに立ち寄って食べ物を買うのは厳禁。トイレ休憩などの際は0キロカロリーの飲み物だけにして、フリスクでも買っておきましょう。
バイクダイエットの距離と時間は
では、バイクにどれくらいの距離と時間を費やせばダイエット効果を得られましょうか。単純なカロリー計算ではいけません。カロリー計算の殆どが理想値で語られており、純粋にこの効果を得るのは難しいです。
片道5kmの通勤・通学の場合
片道5kmを通勤通学でバイクに乗った場合の消費カロリーはいくらでしょうか。乗車時間は約10分ほどです。
体重60kmの男性の場合は上に書いた式にあてはめると約15キロカロリーの消費をします。このカロリーはかなり低いです。ガムのカロリーが10キロカロリーから20キロカロリーの間ですので、ガム一枚分の運動になります。
ですが実際は信号で止まることもあるでしょうし、乗り方にもよりますので、本当の数値は、これを下回ることはあっても上回ることはないでしょう。
1ヶ月で1キロ体重を減らすには
バイクに乗ることだけで1ヶ月で1キロ体重を落とすことを目標にした場合は、どれくらいの代償が必要でしょうか。
脂肪を1グラム落とすのには7キロカロリーの消費が必要と言われています。つまり1キロの体重減を望む場合は7000キロカロリーの消費を目指します。
体重が60kgの場合に10時間のツーリングをした際の消費カロリーは以下のように求めましょう。
60kg×2.5 METs ×10 時間 × 1.05=1,575キロカロリー
では、1キロ消費の7000キロカロリーを目指すと7000÷1575=4.44444・・・となります。
約44時間以上の時間をツーリングに費やせば月に1キロ痩せることが可能です。単純な計算ではこうなりますが、実際のツーリングには多少なりとも飲食を伴います。最低でも44時間は必要になります。
と、バイクでのダイエットは現実的ではないことがわかり、バイクは痩せるという言葉をただただ信じることはできないことがわかります。
しかしバイクはダイエットツールとしてではなく様々な場所に連れて行ってくれ、非常に楽しい思いを共有できる乗り物になっています。
バイクでダイエットなどといったことにはとらわれずバイクライフを楽しみましょう。そして痩せたかったらトクホのお茶かデキストリンを買いましょう。こっちのほうが余裕で効果があります。
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